COLORS【緑】c:lover
lover4 『彼女』になってくれるなら
 帰り道、あいつは……、

『蒼波は部活もう決めたの?』

『いや……まだ。肩に負担のかかるスポーツは禁止されているからな。とりあえず、サッカーか陸上でもやろうかと』

『……そっか』

そう語る蒼波はとても寂しそうだった。
こんな時どうやって励ましたらいいんだろう。

ずっとずっと考えていた──。

『じゃ、また明日。俺こっちだから』

だけど、こんな言葉しか思い浮かばなくて……。

『──私は、見たい。蒼波が投げているところ。野球できなくなっても嫌いになったわけじゃないんでしょ?』

『……世海』

もう一度、蒼波に笑ってほしい。笑顔でいてもらいたいから──。



ふとさっきの出来事が頭の中でリピートする。
胡麻ドレッシング入ったスーパーのビニール袋を片手にぶら下げて、
近所のスーパー帰り。

おじさんには期待させちゃうようなこと言っちゃったしなぁ。

もう後戻りはできないよね。
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