-雪女郎- 千寿
『分った。3週間だけ。千寿には手を出さない。』









『三週間?』









『その間に、雪洞を落としてみせよう。』









『美楼閣に足を運ばないでおくんなし。』









『それは私の勝手だ。』










雪洞は溜め息をついた。








「千寿には手を出さないって言ったんでしょう?」









「わっちの座敷に足を運ぶなんて・・・千寿が見たらどう思いんしょう。」









織閖は、困惑した。








こんな気弱な雪洞を見るのは・・・いつ以来だったろうか。
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