-雪女郎- 千寿
「千寿は、わっちらの大事な仲間でもあるし、アンタの姐さんを悪く言うつもりもない。」










「でも・・・」










織閖は、珍しく厳しい口調で言った。










「遊女が客に依存するほど醜いものはない。」











「裏を返せば・・・客に依存してしまった時点で、遊女ではなくなる。」










そう・・・ここは吉原。









地獄なのだ。









呆然とする松に、雪洞は声をかけた。










吉原という・・・地獄を、教えたのだった。
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