-雪女郎- 千寿
千寿 センジュ








美楼閣売上第三位の遊女。








新造時代を、寿として過ごした日々は、雪洞に嫌悪感を持っていた。









しかし、ある時期を境に、雪洞が目標の人物となった。









「病み上がりだろうに。こんな寒い日に、外に出てていいのか?」









羽織るものを差し出す千寿を見て、雪洞は笑った。









「大丈夫でありんす。それに・・・今日は特別な日だから」









「呉葉姐さんが残していった姫椿。今年も咲いたもんな。」









「うん。今年で・・・もう四年か。」










あの冬を・・・
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