狂者の正しい愛し方


―――


私、新山 晴姫(にいやま はるき)と
彼、佐薙 隼弘(さなぎ はやひろ)さんが出会ったのは、今から一年ほど前。


私の志望した高校は偏差値がやや高く、試験の一ヶ月前となると図書館から出る時間のほうが少なくなる有り様だった。
…言い過ぎ?誇張だねこれ。


まあとにかく、借りる本もたくさんあったわけだ。

司書のお姉さんに顔覚えてもらうくらい、頻繁に本を借りたり返したりしてた。


けれど試験一週間前になり、急に大好きだった司書のお姉さんが別の図書館に移ってしまい、

当然、私の遣る気(学力含む)は一気に低下。


泣く泣く受付で借りる本を受け取ったとき、

参考書の他に、見覚えのないものが一緒に渡されてきた。


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