狂者の正しい愛し方
私の家は同じ高校の生徒の中で一番遠い場所にあるから、
更に遠い隣町に友人がいる筈もない。
送り先を間違えたのでは?と疑ったが、宛名には“新山晴姫様”としっかり記入してあった。
怪しげな物を開封したくないのは誰だって同じ。
でも、中身を確認しないで捨てるなんてできない。
意を決して、私はガムテープを一気に剥がした。
ベリィィーッ、ビッ
『あぁぁあ失敗した!!』
途中で千切れてしまったガムテープ。
悔しいけれど、チマチマゆっくり剥がしていった。