狂者の正しい愛し方
なおも腕の力を強めてくる佐薙さん。
私は、小さい子にそうするように、佐薙さんの広い背中をさすり、
佐薙さんは母親にすがる子供のように、私の体を抱き締めていた。
私は、はっきりと確信した。
…ああ、やっぱり佐薙さんには私がいないと駄目なんだ。
それと同じで、
私も、佐薙さんがいないと駄目なんだ…。
普通の恋人みたいな仲直りじゃないけど、私と佐薙さんは前のような関係に戻った。
ひとつだけ、条件付きで。