キス屋
「会える。」


それだけで、私は気分が
何故かうきうきした。


あんなイケメンと接点が
出来るなんて、
思ってもなかったから。



時は早く過ぎていって、
PM8:00をまわった。



お店に最寄りの駅の
「佐倉駅」で降り、
広告の細かな地図を頼りに
初めての土地を歩いた。


「...あっ...これかなあ」


大きなビルとビルの間に、
ひとつこじんまりとした
お店があった。


大きさは民家サイズ。


夜の暗さに辛うじて
負けていないくらいの、
頼りなく黄色にチカチカと
点滅を繰り返す看板が
目印となった。


「キス屋」


確かに、そう書かれてた。
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