大丈夫
いつも
学生時代、二人はよくハイキングに行きました。
ある時、小川を渡っていると、彼女は足をすべらせてしまいました。
「大丈夫、僕がついているよ」
彼は彼女を抱きとめると、笑って言いました。

ピアノの発表会で、彼女はあがってしまい、膝がガクガクでした。
観客席の一番前で、彼の唇が、こう動いていました。
「大丈夫、僕がついているよ」

結婚したある時、ビンの蓋が開かないで困っていると、
彼が笑って取り上げ、ポンと開けて言いました。
「大丈夫、僕がついているよ」

子供が産まれる時、彼は泣きそうな顔でオロオロしながら言いました。
「大丈夫、僕がついているよ」

子供も結婚し、孫が出来たある日、彼は突然倒れました。
命は助かりましたが、もう体も動かせず、人の言うこともわからなくなっていました。
彼女は、彼の髪を優しくなでながら言いました。
「大丈夫、私がついているわ」
~おわり~
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