アルタイル*キミと見上げた空【完】

それでも首を横に振る私に凜はため息をひとつ落としてから、


一旦閉じかけた扉をもう一度開いて、


「あ、そうだ!今日のスコア持ってきてくれ、って頼まれてたんだ!汐お願い!机のうえにあるスコア、コーチに持って行ってくれる?じゃ、お願いね!」


「ちょ、凜?」


そんな私の言葉は閉じられたドアに虚しく跳ね返る。


凜。


その大声はわざとらしいから・・・。



きっかけをつくってくれてるんだよね、きっと。


< 121 / 640 >

この作品をシェア

pagetop