アルタイル*キミと見上げた空【完】

どうしたら、あんなスタイルになるんだろう、なんて凜が自分の頬をひっばったりしてるよこで、私は……


私は……、ひそかに彼の姿を探してる自分に、でも、彼女の隣にその姿がないことにほっとしている自分に気がついて愕然としていたんだ。


私……なに考えてるの?


飛び交うプレイヤーの声と、バムッバムッ、とボールの跳ねる音に目を閉じた。


その時…


再びざわめいたギャラリー席の歓声は黄色い悲鳴に変わった。


と、同時に隣の凜の

「嘘でしょ…」

というつぶやきと息を飲み込む音が聞こえた。


目をゆっくりと開けると………


「凱くん……」


ふと漏らした凜の言葉と、

一瞬彼がこちらに向けたように思えたその笑顔に思わず胸がざわつき始めるんだ。
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