アルタイル*キミと見上げた空【完】

うつむいたまま、サキちゃんは続ける。


低い、低い声が少し震えてた。


「あの、写真が出たときに・・・・私修兄のところへ怒鳴り込んだの・・・・そしたら、修兄の部屋にサオリがいたんだ・・・・それで知ったの・・・」


そうして、サキちゃんは涙で濡れた顔を上げた。


「汐さんとガイの過去も。2人が今でも惹かれあってる、ってことも・・・・そして・・・そして、修ちゃんのケガのことで前に向けない汐さんを前に向かわせるために、修兄がサオリに写真を一緒に写真を撮られるように仕向けた、ってことも・・・・そうすれば・・・婚約解消も全部修兄の責任になるから、って」


え・・・?


わざと?


あれは・・・・



「本当はあの写真だけ出る予定だったみたい。それが計算外に記事まで書かれちゃって・・・でも、それはもう時間がない、って焦ってしまったせいだ、って・・・・汐に、かわいそうなことをした、って・・・昔のことを、掘り返してしまって申し訳なかった、って・・・・」



「修、ちゃんが・・・?」



ようやく出た声はかさかさに乾いていた。


「そうだよ!修兄はずっとずっと汐さんのことばかり心配してた。自分が余計なことをしたのかもしれない。けど、こうでもしないと、汐はどこかで凱といることに罪悪感をもつだろうから、って」


頭が殴られたように重い。


胸の奥からむかむかと吐き気のようなものが押し寄せてくる。


「汐は・・・凱といるのが一番なんだ、って・・・」



修ちゃん・・・・・。



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