おつかれマイハニー


「机に落書きされたり、ロッカー凹ませられたり、呼び出されて肩ぶつけたり……」


思い出すと、やっぱり少し辛い。

そして、『辛い』を通り越して怒りが湧いてくる。


「ムカつくー!!何なのあいつら!」


怒りで涙が溢れだした。



「水雫、落ち着け!」


私が怒りを露にしたことで、真陽は怒るタイミングを逃したらしい。

かわりに、泣き出した私をなだめた。


「次呼び出されたら、あたしも一緒に行くからさ」


それは心強いし、嬉しい。

けれど……


「……平気」


「遠慮すんなってー」



校舎裏まで連れていかれたとき、確かに怖かった。


でも、思っていたより平気だった。


「意外と言い返せてた」



もしかすると私は、あの頃より強くなったのかも。
前に進めているのかも。



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