思い出
思い出
おらぁ、確かにどうしようもねぇ悪たれだっただなぁ。じ様困らせて、ば様にゃ取り返しのつかない事しちまった。
だけんどよぅ、おら、おめと出会ってから、一生懸命にがんばっただど。
おめがカヤが欲しいってんで、裏山中のカヤを集めただど。帰り道の火事は、あいつぁ、おらのタバコの不始末だったんだなぁ。背中でカチカチと鳴っておったんは
おらの火打ち石だったんじゃないけ?
おめは優しいよなぁ、おらの火傷がひどくねんねぇようにって、薬を塗ってくれたっけなぁ。嬉しかったなぁ、確か、南蛮渡来の良く効く薬だったなぁ、カラシとか言ったなぁ。おらの体質には合わなかったみてぇで、ひりひりしたっけなぁ。
おめが舟遊びしようって誘ってくれて嬉しかったなぁ。おらぁ、舟なんてこしらえるのは初めてだもんで、沈んじまったけどよう、おら、おめと遊んだのが一番楽しかったし嬉しかったなぁ。
おら、生まれて初めて人様に褒められただよ。
おら、おめの事さ好きだで、嘘でねぇから、エンマさんが褒めてくれただよ。
もっと、おめと一緒に遊びたかったけど、もう、出来んなぁ。
エンマさんに、おめのこと聞いたら、もっとずっとずっとあとになってから、
ここよりずっとずっと高い所に行ってしまうんだと。
おめは星が好きだったもんなぁ、ああ、おらも一緒に行きたかったなぁ。


~おわり~
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