ヴァンパイアに、死の花束を
囁くように、愛を唱えるように。

「入江神音は、この血に誓って、浅見穂高を愛し続けます」

「……神音っ…」

穂高が掠れた低い声音を発し、我慢しきれないというように、わたしの喉を甘い舌で舐める。

「君の血に誓う。浅見穂高は、入江神音を愛し続ける。……永遠に」

……ガッと牙が食い込む音に、わたしは体をしならせた。

「…ん…ハァ……っ」

穂高の血を吸う音と、甘い血を貪るような甘美な吐息が、部屋中にこだまする。

……ずっと、ずっと求めていた血を愛でるように、彼は吸血した。

愛されていることを実感する。

……何よりも、幸せなひと時。

吸血は……『愛の行為』。

穂高とわたしにとって、これは抱き合うよりも『愛しく尊い』行為…だ。

「…はっ…あ……愛してる…穂高」

……先生……わたしは、決めたんだ。



………『一千年の愛に、負けない』……って。




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