ヴァンパイアに、死の花束を
それからわたしたち4人は、レイの車に乗り込んでとりあえずわたしたちの家の方角を目指した。

追われているわたしたちにとっては、家に帰るなんて危険な行為だ。

でも、まだ状況のわかっていないわたしたちには、もっと状況を把握する必要がある、とレイが言った。

もしかしたら、雪音もこのまま家に帰せない状況もあり得ると。

ガイアが特定の吸血鬼に抹殺命令を出すなんて、異例のことだ、とも言った。

そして一番わたしたちが戻りたい理由。

それは……。

「レイ。本当に穂高の血がそこにあるの?」

「ああ。オレ、いろんな吸血鬼やヴァンパイアの血をカクテルやワインにブレンドするのが好きなわけ。だから、穂高の血も前にもらってワインにして、オレのバーに保管してある」

レイが運転しながら後部座席のわたしに語りかける。

雪音がいるから荒い運転は控えろと充分に注意していたから、レイは安全運転を心掛けているらしくそれほどスピードは出していない。

「じゃ、じゃあ、綺羅がその穂高の血を飲めば、彼の居所がわかっちゃうってこと!?」

助手席にいる綺羅が嬉しそうにわたしを振り返る。

「恐らく。ワインと混ざっていても匂いをたどることは可能だと思うわ、神音」

今朝からもうわたしのことを名前で呼び捨てにする綺羅をわたしも名前で呼ぶ。

「綺羅!じゃあ、穂高がもし竜華雅の大邸宅にいたとしても、そのどこの部屋にいるかまでわかっちゃうのね?」

「うん。神音とレイのホテルの部屋までピンポイントで当てたでしょ?もちろんそれも可能だわ」

……よかった!

これで、穂高の居所がわかる。

嬉しそうに微笑むわたしを雪音が隣で見上げてニコリと笑った。

「お姉ちゃん…は、とっても穂高が好き…」



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