私の名前




やっぱり、てっちゃんには聞かれちゃった………



どうして いいのか わからずに立ち尽くしていると



――グッ……


てっちゃんが私の手首をつかんで無理矢理 引っ張って行く




「痛い……てっちゃん、痛いよ」



私の言葉を無視して階段を無言で上り、部屋に入った




リビングのテーブルに


ガチャンッ!


乱暴にバイクのキーを投げるように置いて



ケータイを開き電話する



「オレだけど…………
うん。ごめん、ちょっと遅れるわ」




きっと彼女にかけたんだ



デートに遅れると連絡が終わった


てっちゃんは怖い顔して


テーブルの前にあぐらをかいて座った




まだ玄関で突っ立ってる私に




「来いよ」



隣に座るように言う



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