伊織くんの家族




「あ~疲れたぁ」



休日、てっちゃんと不動産を巡って部屋を決めて来た帰り




ショッピングモールに寄ってファーストフード店でお茶をした




「決まって良かったな」



てっちゃんがコーラを飲みながら言った


新しい部屋は大学から歩いて20分



エレベーターのない4階の2LDk



「ねぇ、てっちゃん」



私はアイスティーを飲みながら



「彼女を連れ込む時は事前にメールしてね」



1番守って欲しいルールを言った



「彼女を泊めたりしても自由でいいからさぁ、その変わりその時は私は実家帰るし」




「なんで?別に風羽がいてもオレは構わねぇよ」



あのねぇ、てっちゃんが構わなくても彼女は嫌でしょうよ




それに…………




「あの部屋、結構、壁薄いと思うし………」



てっちゃんの部屋から……


その………彼女との………


変な声やベッドのきしむ音


聞こえてもイヤだし……




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