色彩と白夜
1
白い朝
ふらつく足元に神経を集中して、なんとかアパートについた。
真夏の明け方、空には夏特有の白い靄がかかっていて、何とも幻想的だ。
だが、そんな光景も麻弥の目にはそう映らない。
乱暴にパンプスを脱ぎ捨てて、よろつきながら部屋へ入るとそのままベッドに倒れこんだ。
横になっていると比較的楽である。
薄紫のカ-テンの間から、明け方の空が見える。
その一点をじっと見つめながら、考えごとをするのがこの5年、麻弥の日課だ。
部屋の中には時計が秒を刻む音しか聞こえない。
何もかも無くなってしまった、あの日のようだ。
真夏の明け方、空には夏特有の白い靄がかかっていて、何とも幻想的だ。
だが、そんな光景も麻弥の目にはそう映らない。
乱暴にパンプスを脱ぎ捨てて、よろつきながら部屋へ入るとそのままベッドに倒れこんだ。
横になっていると比較的楽である。
薄紫のカ-テンの間から、明け方の空が見える。
その一点をじっと見つめながら、考えごとをするのがこの5年、麻弥の日課だ。
部屋の中には時計が秒を刻む音しか聞こえない。
何もかも無くなってしまった、あの日のようだ。