あの頃へのラブレター
八通目…まだ見ぬあなたへ
この手紙を受け取るあなたへ

はじめまして

のはずです。何故なら、この手紙は、これから出会うであろう女性に、想いを馳せたものだからです。

変な奴と思ってらっしゃいますね?

よく言われます。

お前は変わってるって。

自分ではそうでもないと思っているんですが。

何から書きましょう。

僕は、まだあなたを知らない訳ですから、目が好きだとか、笑顔がいいとか、性格や趣味が合うからとかなんて書いても意味は無いし……

趣味の事を言えば、絶対にあなたは僕と同じ趣味を持っている筈です。

そうじゃなきゃ、あなたを好きにはならないと思うんです。

どんな趣味?

歩くこと。

今、不思議そうな顔しました?

前以て言いますが、歩くといっても、ウォーキングや単なる散歩ではないんです。

街中をぐるぐる散策するんです。

それが散歩だって?

……言われてみれば。

とにかく、歩き回るのが好きなんです。

歩きながら、いろんな建物や家を見たり、公園の回りをゆっくり見たり。

絶対、あなたも好きな筈です。

多分……

え?どうしてこんな手紙を書いたのかって?

うぅん……何故だろう。

やっぱり、あなたの事が大好きだからなのでしょう。

どうして出会う前からそう思えるかって?

だって、僕の心の中では、既にあなたは存在してるんです。

顔とか、スタイルとか、まだはっきりとはしませんが、ちゃんと存在してますから。

笑った顔や、困った顔、怒った顔にすました顔。

泣き顔も、全部です。

名前だけは、まだ判りませんけど。

あっ、当たり前か。

あなたは、とても料理が上手で、一番のお得意が、麻婆豆腐。

ですよね…まあ、いずれ覚えて頂ければ……

そうそう、犬が大好きな事も知ってます。

今はペットを飼えないアパートだから無理だけど、一緒に暮らすようになったら、絶対ペットの飼えるマンションに住みましょう。

猫の方が好き?

そうですか…うん、別に猫でも…小猫なら……

さて、この手紙をあなたに渡せるのは……



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