7年目の浮気
「坂野さんに聞いたんだけど、あまりあんなに酔うことないんだってね。」

「え、うん、まあ…。」


そんな話をしているうち、茉莉花のマンションに到着した。


「あ、有り難う。
今日は楽しかった。」

「篠原さん、」


加藤は車から下りようとする茉莉花を呼び止めた。


「今日の服、篠原さんにすごく似合って素敵だよ。

また会いたい。

何か、話したいことがあったらいつでも連絡して。


これ、ちょっと会社のでテンション下がるけど。」


加藤は茉莉花に名刺を渡した。

名刺には携帯番号やアドレスがあった。


「連絡、待ってるから。」

「…、わかった。

今日は本当に有り難う。」


茉莉花は加藤の車を見送った。

ひどく寂しい気持ちに襲われた。

加藤の名刺を見つめた。


今別れたばかりなのに、加藤にまた会いたい気持ちを否定できなかった。
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