エア・フリー 〜存在しない私達〜《後編・絆》
そこで、二人が見たものは……



天使たちの休息のような絵画だった。

深紅のジュータンに横たわる二人の天使たちは対で丸くうずくまり、その形がハートを描いているようだ。

その広げられたジュータンの大きさから、二人が既に旅立ってしまった事は伺いしれた。

源と命はその儚い美しさに心を奪われていた。

「源さん、二人の背中に羽が生えてますね。」

「………君にも見えるかい?」

「はい。」

「やっぱり、あいつらは天使だったんだな。汚れを知らない純真無垢な天使たちだ。」

「俺はそれを汚そうとしていたのかもしれない。」

源は命の肩に手を置くと、

「結局、俺だって守ってやれなかった。」

二人の目から熱いものがこみ上げてきた。

そこにサムもやって来た。

「残念ながら、間に合いませんでした。」

源の差す方に行ってみたサムもその絵画の神々しさに絶句して涙した。

「どうして、こんな事に………。」



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