エア・フリー 〜存在しない私達〜《後編・絆》
「そうなの。あれから何百回かけた事か……。でも勇が無事なら絶対あきらめないけどね!」

「あぁ それしかないからな。それより新しい暮らしはどうだ?今どこにいる?」

「私は学校だよ。今日も授業が3時間あるから。」

「学校ォ? 今、夏休みなんじゃねぇの?」

「うん。そうだけど補習みたいなヤツを受けてるよ。児島家には二日いたけど、あそこはまだ未来さんをイジメてた奴らが家の回りをうろついて見張ってるから長居はしない方がいいと思って…。それに早く学校に慣れたかったしね。」

「あーそっかぁ。そうだな。中条家の奴らも血眼でオレらの行方を追ってるらしいんだ。」

「えーっ!まだ追われるの。」

「あぁ でもそこにいたら安全さ。でもアイツらの捜し物は青いペンダントらしいぞ! お前心あたりあるか?」

火菜は首から下げたペンダントを握り締めながら

「知ってるも何も私が持ってるよ!」

「何ィ〜!それ弥生さんからだろう? それはボスから弥生さんへ委ねられたもんで、秘密のデータが入ってるらしいぞ!だからそれをみつけるために中条家は今、総動員で動いているんだ。」

「おっちゃん、シンガポールにいるんでしょ?よくそんなに情報を得られるね。」

「そーだろ〜俺にも味方がいるんだ。というかスパイを送り込んでるからな。」

源は少し見栄を張って大げさに言った。

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