ことばのスケッチ
「ママ、そろそろ離乳食かしら」と婆がいう。
「二三日前から重湯をあげてるの」
「今日はご飯粒をあげようかしら」
《何だこのぶつぶつしたのは!》
「あらあら、出してしまったわ」
「ご飯粒をすりつぶしてみたら」と婆が言う。
《少しばかり匂いや味が違うけど、これなら今まで飲んでいたのと同じだな!》
「今度は食べたわね」
「だんだんとすりつぶしたご飯とご飯粒の割合を変えなければ、ご飯嫌いになるわよ」と婆が言う。
「好き嫌いが出るのもこんなところに原因があるのかしら」
「そう、口から出すのは小さい子の唯一の意思表示ですよ」
最近になって、私の口の中での味覚、臭覚、歯ざわりの点で、未確認な物が多くなった。中でも味覚と臭覚は複雑で、これまで飲んでいたものとは全く違う。動物的な感覚で口から出す以外に道はない。
《何だこれ!甘くて変な匂いがする!》
「あら、口から出したわ、この子人参が嫌いかしら」
「すりつぶしたご飯に混ぜてみたら」
「二三日前から重湯をあげてるの」
「今日はご飯粒をあげようかしら」
《何だこのぶつぶつしたのは!》
「あらあら、出してしまったわ」
「ご飯粒をすりつぶしてみたら」と婆が言う。
《少しばかり匂いや味が違うけど、これなら今まで飲んでいたのと同じだな!》
「今度は食べたわね」
「だんだんとすりつぶしたご飯とご飯粒の割合を変えなければ、ご飯嫌いになるわよ」と婆が言う。
「好き嫌いが出るのもこんなところに原因があるのかしら」
「そう、口から出すのは小さい子の唯一の意思表示ですよ」
最近になって、私の口の中での味覚、臭覚、歯ざわりの点で、未確認な物が多くなった。中でも味覚と臭覚は複雑で、これまで飲んでいたものとは全く違う。動物的な感覚で口から出す以外に道はない。
《何だこれ!甘くて変な匂いがする!》
「あら、口から出したわ、この子人参が嫌いかしら」
「すりつぶしたご飯に混ぜてみたら」