ことばのスケッチ
「理想じゃないよ、現にむしゃくしゃしているじゃないですか。小さい頃親に叱られてむしゃくしゃしたように、そりゃ、小さい頃親に甘やかされて育った人には、解らないと思うけど」
「むしゃくしゃすることがですか?」
「そう、むしゃくしゃすることが。むしゃくしゃしなかったら、とっくに部長と喧嘩してるよ。折角むしゃくしゃする環境を創ってくれているのに、喧嘩したらその環境から逃れることになる。大いにむしゃくしゃすればいいと思うよ」
「岡村さんの言ってること、よく解らないんだけど」
「それじゃ言うけど、自分の方が真っ直ぐだと思っているんじゃない!」
「そうだよ、全員が部長のことを変人だと思っているんだから」
「そうかな、部長の物差しで測ったら、我々の方が変人に見えていると思うよ」
「そうかな?」と、彼は一瞬間を置いて小さく答えた。
「部長から見れば、我々の方が変人に見えているに違いないと思えば、部長は普通の人に見えてくると思うけど」
「そうはいっても、あの人にはとてもそうは思えないね」
「それじゃ、部長を普通の人と見ないまでも、せめて、部長から見れば、我々の方が変人だと思えばどうだろう」
「仕事の内容と押印の仕方とを天秤にかけた場合に、やはり仕事の内容と答えるのが常識だと思うよ」
「むしゃくしゃすることがですか?」
「そう、むしゃくしゃすることが。むしゃくしゃしなかったら、とっくに部長と喧嘩してるよ。折角むしゃくしゃする環境を創ってくれているのに、喧嘩したらその環境から逃れることになる。大いにむしゃくしゃすればいいと思うよ」
「岡村さんの言ってること、よく解らないんだけど」
「それじゃ言うけど、自分の方が真っ直ぐだと思っているんじゃない!」
「そうだよ、全員が部長のことを変人だと思っているんだから」
「そうかな、部長の物差しで測ったら、我々の方が変人に見えていると思うよ」
「そうかな?」と、彼は一瞬間を置いて小さく答えた。
「部長から見れば、我々の方が変人に見えているに違いないと思えば、部長は普通の人に見えてくると思うけど」
「そうはいっても、あの人にはとてもそうは思えないね」
「それじゃ、部長を普通の人と見ないまでも、せめて、部長から見れば、我々の方が変人だと思えばどうだろう」
「仕事の内容と押印の仕方とを天秤にかけた場合に、やはり仕事の内容と答えるのが常識だと思うよ」