この世のしるし
遠征から帰ってすぐ、シンタロウはあの場所に走っていた。


「…っくしょう!
…まだ沈むなっ…」


横目で睨む今日の夕日は、やけに早く沈んでいくように感じた。


「……?…いねぇ…」


息を切らして着いたその場所に、女の姿は無かった。

「……ちっ…タイミングわり…」


シンタロウは沈んでいく夕日を睨み付けた。



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