[ ne・o-Child ]
「守秘義務か・・・、
じゃぁ言い方を変えよう。
ただの質問だ。
優秀な人間のクローンを
作った場合、完璧なコピーが
出来るのか?」

と朱李の方を向き尋ねると、

「いいえ・・・、
核移植した細胞を仮親の
子宮に着圧させ、妊娠・
出産することによって
作りますので、
現在の自分の年齢のギャップが
生じます。

人間の容姿は生育環境や
食生活に多分に影響され
ますので、ある程度は似ますが
全く同様になることは
ありません。」

「ハハハハッ!
じゃぁ、首相の影武者は
単なる整形か?」

何も答えない朱李。

「俺は軍隊にいた頃、
社長に引き抜かれここに入った。

APLLON(アポロン)計画。
優れた子供・犯罪を犯した子供を
殺人兵器として訓練する様に
言われてな。

素質があるもの・ないもの
個人差があった。

でも、RENはどうだ?
並みはずれた身体能力に、
IQは200を超えてる。

あいつは7歳で人を殺した。
今までのガキは何かしら躊躇する。
当たり前だ、何の関係もない
人間を殺すんだから・・・

でも、RENの場合は何の迷いも
感情もないまま平気で殺した。

7歳のガキだぞ!

あいつは何だ?
お前らは何をした?」
興奮した俺に朱李は、

「ARES(アレス)計画は、
うちの最高機密です。
極秘に進めてきた
プロジェクトは間もなく、
結果が出るでしょう。
そのうち公式発表されますわ。

今、成宮さんにお伝えすることは
できません。失礼します。」

俺に背を向け立ち去る朱李の
後ろ姿に向かって

「お前は社長の犬だな。」

ドアの前で一瞬止まって
「おしゃってる意味が
わかりませんが?」

パタン――

そのまま出て行ってしまった。

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