[ ne・o-Child ]

別れの時

コツ―ン…コツ―ン……

静かな夜に響く廊下を誰かが歩く音。



「誰……?」

ドアが開くと同時に風が通り、開けた窓の
カーテンが揺れる。

「REN?」

『ごめんね、ハル。』

「何で謝るの……?」

ベッドの脇にひざまづき布団におでこを
埋め、そっと顔をあげて僕を見つめたRENは

『……だって俺のせいでこんな目に

血がいっぱいでて……』

その綺麗な瞳から宝石の様な涙がスルスルと
こぼれ落ちた。

僕はRENの涙を手で受け止めようと頬に触れて
いた。

「泣かないでREN、僕が後悔してると思う?
大切な子が刺されるよりずっといいよ。
RENは女の子だもん。体に傷が残ったら大変だよ
。」

RENは僕の触れた手の上に自分の手をのせ目を
閉じる。

「REN、何かあったの?」

ゆっくり開いた目からはもう涙は消えていた。

『ん~ん。ハルの顔見たくなっただけ。元気で
安心した。

勝手に忍びこんじゃった。もう、行くね。

また来るから……バイバイ。』

「待って!REN!!」

バサッ―――

「痛っ……REN―――!!REN!!REN!!」

ベットから落ちた瞬間に背中の傷が開き、
僕は立てなかった。



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