LOVER'Sハウス

それぞれの想い

*元side*



…俺は二年前、寮生活を始めた。



理由は………あいつと一緒に生活することに、限界を感じていたから。



『元ーっ!一緒に帰ろ。』

無邪気な笑顔を向けて、走ってくるあいつ。



その笑顔を見るだけで、俺の心は乱される。気持ちが溢れる。





・・・・・・俺はどうしたらいい?






一花園学園に通い始めて、一年がたった。



…俺は、"LOVER'S"に選ばれた。そして白薔薇寮から青薔薇寮へと移った。







一高校三年の春。


何食わぬ顔であいつは突然、やってきた…。




「今日から青薔薇寮の寮母さんになる、紗来ちゃんだよ。」


そう、玲が言った時、俺は複雑な気持ちになった。



紗来が青薔薇寮の寮母??
どうして。なんで。





……せっかくお前から離れることができたのに。





また俺を苦しめるのか?





紗来が悪いんじゃない。


…俺が、俺の心が弱いからだ。





妹のお前にこんな感情を抱いてしまった俺が…悪い。




…だから…この気持ちはしまっておこう。


お前の笑顔を見るために。 
 
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