苺祭的遊戯(ショートストーリー集)
「エイプリルフールに、損とか得とかないと思うんですけど」

私は声を上げてみる。
3秒の沈黙。

「あなたも楽しんでね」

店主は私の言葉なんて聞こえなかったかのように、キョウに話しかけていた。

……まったく、もう。


諦めた私は紅茶を味わうことに専念する。

常連と思われる、喫茶店には不釣合いの和服を着た美青年が店に入ってきてようやく、エイプリール談義は幕を閉じた。

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