ダンデライオン
電話を切って、あたしはまた涙が溢れた。

もしかしたら、もう二度と阿由葉と話せないかもしれないってなんども考えた。
阿由葉を、信じれなかったあたしが情けない。

阿由葉は阿由葉だった。

「大丈夫？」

悠斗くんはそっとあたしを抱き寄せて優しく宥めてくれた。あったかい体温。

「、はい。」

「友達？」

「はい…もう、あたしのこと親友って思ってくれないんじゃないかって不安でっ…。」

そっか、それだけを言ってあたしの頭を撫でた。
それだけで嬉しい。

「真澄ちゃん、今日元気なかったもんね。」

「すみません…隠せないで。」

「ううん。無理矢理笑っても、心が泣いてたら、見てて辛いよ。」

悠斗くんはプロだ。あたしみたいな素人が演技したって一瞬で見抜かれる。
だから、悠斗くんの前では素直でいたい。悠斗くん、でもねあたし、この気持ちだけは隠してる。
気付かれるのは時間の問題かもしれない。…でも、気付かれて距離が出来るのは嫌なんだ。
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