“俺様”大家の王国
「多分これは、母の差し金なんです……
私が、母の計画を狂わせようとしたから……」
「計画?」
「ええ、でも私が逃げたから……」
「?」
私は呼吸を整えて、涙を拭って、一番大事な事を告白した。
「私……女優の紅原綾子の娘なんです」
全て話した。
小さな頃から、常に母に振り回されてきた事。
一緒に住んでいないのを、引け目に感じていない上に、
時々やって来ては騒ぎを起こしていく事。
そして、今度は私を女優にしたいと望んでいるらしい事。