Stand by・・・
信じられない事実
「柊・・・」

大谷がおれに気付き、声をかけた。



手術室の前には、すでにサークルの面々が20人近く集まっていた。

皆一斉におれを見るが、おれは誰とも目を合わせられずに、椅子に座った。

ドアの上にある「手術中」のランプが、こうこうと赤く輝いている。





さっきまでおれは、刹那が消えた車の中で、一人打ちひしがれていた。

もうあいつはいない。そう思うしかない。

おれは病院の方へ目をやった。

刹那の肉体は、あそこでまさに今手術を受けている最中のハズだ。

あいつは今、あそこにいる。かもしれない。

・・・・・・

結果はどうあれ、刹那を愛した者としては、最後まで見届けなくちゃ。

そう考えたおれは、ゆっくりと車を降りた。

自分の体の重さに驚きながらも、手術室へ向かった。

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