全国民模様制度
【全国民模様制度】



ある朝、顔を洗って鏡の前の自分と対面すると、俺の顔がパンダ模様になっていた。


「何じゃこりゃあ!」


と、叫んでみても仕方が無い。


目の周りは黒く縁取られ、慌てて脱ぎ捨てた服の下も……見事なまでに白黒になってしまっていたのだから。


それもご丁寧に全身の皮膚がきっちりと毛に覆われている有様だ。


尻尾が無いだけ幸いなのか、かろうじてそんな疑問符で冷静さを保ちながらも……これは一体どういう事なのか。


会社ではバリバリと仕事をこなす営業マンな俺。その俺がパンダ柄とは……何とも情けない事この上無い。


こんな体で仕事になんか行けるか。


心の中でそう悪態をつきつつも、今日は大事な会議の日でもある。


「休む訳には行かない……か」


スーツを着ると、不釣合いなマスクとニット帽で出来る限り顔を隠しながら、恐る恐る玄関の扉を開いた。


そこには……。


< 1 / 5 >

この作品をシェア

pagetop