夢をみさせて

―麻友は悪くないから。―


そうであることを彼女に
伝えるために。

そして否定することで本当の
自分を隠したかったから。

本当の自分?

否定しながらどこかで
麻友の言っている事が
図星であることを
認めまいと
している自分。

こころのどこかで答えは
わかっているのだろうけど
それを理解しようとせず
逃げている自分。


逃げてるんじゃない。

諦めているんじゃない。


私は彼の隣で笑う
「彼女」を思い浮かべ…
彼を困らせたくないから。


私は自ら退きました。


一生懸命
そう言い聞かせて。

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