流星群【短編集】

やがて。



喜代子は乾ききった唇を動かして
幼ながらに意を決して言う。



『金魚がいい』



光の中で、老いた飴細工師はゆっくりと頷いた。



刹那。



『清彦さん』


現実に戻されるは、松ねぇの普段とは違う甘い声。


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