実録 出会い系サイト!!『実話』
「ねぇ、亜美。亜美は何でサイトしてるの??」


突然拓人に聞かれて、なんて答えていいのかわからない。


「実は……友達がサイトで彼氏ができたの。それで幸せのお裾分け…とか言って、勝手に登録されたの。」


「えぇぇ……!?亜美が登録したんじゃないの!?」


「……うん。拓人は何で??」

アタシは同じ質問をした。

「俺は~。出逢いがないから登録したんだよ。半信半疑だったけどね。」



゙やっぱり遊びなのかな…。″



「そうなんだ!拓人なら出逢いありそうなのに!!」


アタシは本気でそう思った。



゙この人に、彼女いないとか、出逢いがないとか信じられない…。″



「俺は、仕事が忙しいから、本当に出逢いないんだって。それにさ、彼女とかいたら登録しないしね~(笑)」


なんだか、アタシの心を見透かされてるみたい。


「……笑いながら言ったら嘘っぽーい!!(笑)」


アタシは少しずつ拓人の顔を見ながら話せるようになってきた。


「亜美、やっと笑ってくれた!!」


拓人は優しい眼差しで、そう言った。



゙えっ…!?アタシ、拓人に逢ってから、ずっと緊張してて、笑うコトを忘れてたんだ……。″



テーブルの上には、拓人が注文してくれた食べ物が並んでいた。


二人で食べるには、少し多いくらいのお皿の数。


「亜美ー!!食べないの?」


「あっ。食べる。」


そう言って、アタシは取り皿を取って適当に取り分けると、拓人にお皿を渡した。


「どうぞ。」


「え!!俺の分!?」


「うん。」


「ありがと!!亜美は気が利くね。いいお嫁さんになるよ!」


拓人は嬉しそうにお皿に箸を付けた。



゙いいお嫁さんって…。″


アタシはドキッとした。

自分の分もお皿に取り、少しずつ口に運んでいったが、目の前にいる拓人が気になって、何を食べても殆んど味がしなかった。

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