HDD彼女
 エレベーターを降りてすぐ、目の前に配置されているのはフラッシュメモリを取り扱っている小さなコーナーだ。

 音楽を貯めておいたり、書類のデータなんかを保存しておくには適切なギガ数のフラッシュメモリーが、バーゲンセール品としてワゴンの中に展示されている。
 ワゴンの商品を何個か手に取って見てみる、それらは確かに安いのだが――今はそれほど必要な品でもない――というか、フラッシュメモリーならば家に三つか四つほど転がっていたはずである。

 手持ちぶさたな時にならば買い求めてはみるのだが、結局はあまり使用せずに無駄に家の中で転がすことになるのだ。
 他にも記憶用のCDや機会があれば使用しようと思っていた清掃用のクロス、USBで接続できる卓上用の扇風機など買ったは良いのだが使用されていない品物が家には多数転がっている。
 今日はちゃんと目的の品もあるし、このコーナーに興味を惹かれるような品物を見つけることも出来なかった。
 無用な買い物を避けるために俺は早々にフラッシュメモリーコーナーを後にしたのである。
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