†Orion†

*―光―*



“夫”としての自信はじゅうぶんにある。

優菜さんをひたむきに思う気持ちは、浩平さんにだって負けないから。

俺は絶対に、優菜さん以外の女に揺れたりしない。



“父親”としては……


誰だって、生まれながらに“父親”という自信を持っているわけじゃない。


いつだったか、親父が言ってた。


“おまえが生まれてからも、父親になったっていう気がしなかったな”


そんな親父も、俺が成長するにつれ、少しずつ自覚を持ち始めたらしい。



今の俺だってそうだ。

子供二人の父親なんて、正直ピンとこない。


でも、たとえ血が繋がっていなくたって、優菜さんの子供だから。

優菜さんと同じように愛することができると思う。


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