†Orion†


こうやってのんびりと寝転がっているのが、いちばん気持ちいい。



「じゃ、あたしもパスしよう」



てっきり、優菜さんもビーチバレーに参加するのかと思っていたのに。

俺の予想を裏切り、優菜さんは隣にゆっくりと腰を下ろした。


思いもしなかったハプニングに俺は勢いよく身体を起こし、そしてなぜか、正座する。



「……雅人くん。なに正座してるの?」


「あ……」



クスクス笑う優菜さんに問われ、俺は足を崩して胡坐をかく。


程なくして始まったビーチバレー。

優菜さんと一緒に見ていると、参加している弘美と目が合った。

少しだけ顔をしかめた弘美に、俺は思い切り舌を出す。



……大丈夫、大丈夫だよ。

これくらいのことで、俺は暴走なんかしないから。




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