my First boy last boy.




「その頃はまだ純粋だったからさー、律儀に貰ったものはちゃんと全部食べなきゃっていうのがあってさ。」




へー。

海斗も小さい頃は真面目だったのか。


…いつからこんなちゃらんぽらんになっちゃったのだろう。

そんな目をひそかに向けたあたしに、海斗は気付かず話を進める。



「でさ!こーんなたくさんあるチョコをさ?一人で食べたわけ。そしたら、もー鼻血出るわ吐くわ倒れるわで散々。次の日から、チョコを見れなくなったよ」



ぷっ。と吹き出して、あたしはケラケラと笑ってしまった。


たくさん食べたら、そうなりそうだと想像出来なかったのだろうか?

ちょっと間抜けで真面目な当時の海斗が、可愛いくてしょうがない。



「…笑いすぎだし」


「…だって!…ねぇ?」



恥ずかしいのか、ちょっと拗ねて「うるさい。」という彼もまた、可愛く見えた。



こんな新しい一面を知っていくことが、楽しい。




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