my First boy last boy.




中から出てきたのは、香水と…メッセージカードだった。



うまいとは言えないけれど丁寧に書かれた字で、


『誕生日おめでとう!やっと17かよ?(笑) ま、これからもよろしく。

P.S.大事に使えよ!』


と、書かれていた。




…涙が、溢れた。





あの日、ちゃんと言えてたらよかった…春が好きだって。



どうしたって、あの頃には戻れないの…?


ねぇ、もう戻れないの…?




―――…せめて、戻れなくてもいい。




最後にもう一度だけ…


もう一度だけ、自分の気持ちを伝えておきたい。




そんな思いに駆られて、意を決して。


あたしは、卒業式の3日前。





…結局消せずにいた、春のケータイ番号に電話した。




……繋がらなかったり、出なかったら、もう、諦めよう。


そう覚悟を決めて、トゥルルルという電子音を聞いていた。


自分の心臓の音が、バクバクと耳元まで響いていた。



トゥルルル、トゥルルル…


5回目ぐらいだっただろうか?


もう諦めようと、ボタンを押そうとした時。




「……はい。」





……奇跡だ、と思った。





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