わたしのレシピ



おしゃべりとおいしい料理を堪能し、デザートが運ばれてくる頃、大翔が、はい、と箱を手渡してきた。

両手に乗る紺色の箱の中にはシンプルなストーンのついたネックレスが入っていた。

「かわいい、、、」

「何にでも合いそうでしょ」

「、、、、、ありがとう」

この上なくニヤニヤしてたと思う。
鏡がないからわかんないけど。

まさか高校生にここまでしてもらえるとは、、、


その日はご飯代も大翔がもってくれて、至れり尽くせりだった。

ちょっと歩いた先の通りで冬の名物のイルミネーションが始まっていたので、それを見て帰ることにした。

外はもうすっかり冷たい冬の空気で、寒かったけど、つないだ手はぽかぽかだった。

大翔が冬休みに入ればもっと会える。



幸せな26歳の始まりだった。





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