加納欄のお化け屋敷 シリーズ11
加納欄のお化け屋敷 シリーズ11
南署に電話が鳴り、話し終わった吉井さんが、電話を置くと、こう言った。

「課長、ドリームアクア遊園地で、死体発見です」


うえ~(>_<)


「苫利、加納君。向かってくれ」


うえ~(>_<)



「ほら、行くよ」

苫利先輩に、声をかけられた。


い、行きたくない……。


お化け屋敷が嫌いだった。

だから、遊園地なんてものには、行ったことがない。

お化け屋敷が、嫌いっていうか、幽霊が嫌いなのである。

昔、驚かされたのと、TVの影響?で、トラウマだ。

あたしは、やる気のない状態で、イヤイヤ車に乗った。

「どうしたんだよ。具合悪いの?」

苫利先輩に、聞かれた。

「いいえ」


行きたくないだけです(-.-;)


「に、してもツイテないよなぁ」

苫利先輩が、また話しはじめた。

「何がです?」

「今、1周年記念イベントやってるだろ?あそこ。行こうと思ってたのにぃ」


マジで?


何が楽しいの?


「あ~あ。今度の土曜日に行く予定だったのになぁ」

「え~っ!」

あたしが、かなり驚いたので、苫利先輩もつられて驚いていた。

「な、なんだよ」

「苫利先輩、遊園地行くんですか?ウソ・・・」

「なんだよ、それ。欄ちゃんは行かないの?」

「行きませんよ」

「え、え~?」

逆に驚かれてしまった。

「日本に来てから、1度も・・・1回はあるかな?でも、それくらいですよ」

「なに?ジェットコースターが嫌いなの?」

「・・・いいえ」

「え、遊園地でジェットコースター嫌いはわかるけど、それ以外の理由ってなに?」

「い、いいじゃないですかっ」

「気になるかも?」

「なりませんからっ」

「言えって」

「やだ、シツコイ」

「シツコイって」

苫利先輩は、まったく興味のない話なはずなのに、あたしの弱味を見つけたいみたいでしつこく聞いてきた。
あたしは、ずっと無視を決め込むことにした。

「あ、着いちゃったよ」

かれこれ30分の無視の成果か、目的地に着くことが出来た。
 
苫利先輩は、ドリームアクア遊園地のゲートをくぐり、パトカーが、たまっている場所に止めた。

「遊園地嫌いな欄ちゃん、行くよ」

「・・・・・・」

あたしは、車から降りた。


せめて、現場がアソコじゃなければ……。


っていうか、この遊園地にはナイ。


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