野球男子

恋する乙女




朝香の言葉が頭の中をぐるぐる駆け巡っている。


気付けば、アタシは教室に一人取り残されていた。




あ~もう帰んなきゃ。


と思いつつ、まだ動く気になれない。



アタシは、また窓から野球部の様子を見る。




やってるやってる…。



ん??


あれ??


坊主がいない。


どこいったんだろ……。


「あれ??」


背後からの声に振り向くと、不思議そうな顔をしてアタシを見つめる坊主がいた。



野球のユニフォーム姿、近くで見るとかなりかっこいいかも……!!

ってか今はそんな場合じゃなくて!!


「ぼ、坊主!!あんた部活は!?」


「あ~…俺はちょっと忘れもの取りに教室戻ってきただけ。お前は??部活ねーの??」


坊主は自分のロッカーの中をあさりながら言った。


「アタシは、部活入ってないから……。めんどいだけだし。」


「そっか。」


「……………」


「……………」





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