やっぱり君が…

二人の未来


今日は土曜日。バスケは練習試合だった。あたしは今、いつもの場所に待っています。



「おー。待ってた?」


「うーうん。さっき来たばっかりだよ」



なーんて嘘をつくあたし。


だって、待ってたとか言っちゃうと、たかひろは「ごめん」しか言わなくなっちゃうから。だからあたしは嘘をつく。



「なら良かった」


「うん」


「今日、なんだった?」


「練習試合だよ」


「まじで?俺は練習だったよ。きつかったぁー」



あたしの方がきついですって。


そこはあえて言わなかった。



「あー俺、良い歌見つけたんだよ。MEGARYUの夜空に咲く花って言うんだけど、俺の気持ちに似てるんだよ」


「へぇー」


「歌詞を見ててな」



そう言ってたかひろはあたしに、ipodとイヤホンを貸してくれた。



大切な君といた あの夏の夜は

今も忘れられない思い出

……


ひまわりの花開く頃に デートに君を誘った夜から



「な?君を誘った夜って」
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