OTOGI Rock'n'rool
 


ハァーと長くため息をついてから、クララさんが真剣な顔をして私を見る。



「あのさ、あたしがこんなこと言うのもヘンだと思うんだけど…」



なに?

なんだろう…?



「アイツのこと「たっだいマウンテン!!!」



クララさんが何かを言いかけた途中で、真崎くんが叫びながら入口から入ってきた。

見ると真崎くんは頭の上で手を合わせて山の形を作っている。

あぁ!マウンテン…!



って、いうか



「え、真崎くんっ!!?」

「あれ、シロミちゃんだーなんでいんのぉ?」



会えないと思っていたのに、会えるなんて…

これってもしかして、うっ、運命?



「だからてめーは、フツーに入ってこいフツーに」



バシッ、といい音を立ててクララさんがおぼんで真崎くんの頭を叩く。

お客さんたちはそれに見慣れているみたいで、にこにこしながら笑ってた。



結局、その日はクララさんが言いかけた言葉の続きを聞くことが出来なかった。

一体何て言おうとしてたんだろう…?



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