機動装甲FINAL
私はマリアーナ少尉に視線を向ける。

「AMの方はどうか」

「オーディン、Mk―Ⅱともに整備は整っています。パイロットは第一種戦闘配備のまま待機中」

「ん…」

静かに頷き、目を閉じる。

今更ながら、民間人の帝少尉や白金少尉にこのような戦局を任せるのは不憫に思う。

軍内に彼ら以上のAMパイロットが存在しないのは不甲斐ない限りだ。

腕利きのパイロットはいるにはいたものの、コンロット社に流れていってしまったというのは皮肉な話だ。

…帝少尉も、ミハエル・レイカーとの決着を望んでいるのだろうな…。

この決戦で、その決着もつく事だろう。

帝重工とコンロット社。

国連軍とテロリスト。

地球圏の今後を左右するであろう決戦だ。

そのような決戦を、帝少尉のような若者に託さねばならぬか…。

「不甲斐ない…な…」

私は誰に言うでもなく、一人呟いた。



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