機動装甲FINAL
「こんな所でのんびり音楽聞いてる暇ないでしょ」

茜は俺にマニュアルを投げつける。

表紙には『AM-003 オーディンMk―Ⅱ』と書かれている。

「やれやれ…もう新型の試作機か…この評価試験基地も次から次へと忙しい事だな…」

「当然じゃない、最新鋭AMの開発は急務だから。同時にAM-001-4 ソルジャーMk―Ⅳも試作機がロールアウトするらしいわ。今にこの評価試験基地に回されてくるわよ」

クルリとミニスカートの裾を翻し、茜は背を向ける。

「評価試験は1300からよ、遅れないでね、帝真紅郎大尉」

「了解だ…白金茜中尉…」





コンロット戦争後、俺と茜はその腕を認められて国連軍に正式にAMパイロットとして採用された。

まあこれは名目で、実際には軍機を外部に漏らさないようにする為に、監視の為に軍内に置いておきたかったのだろう。

俺達はそれぞれ大尉と中尉に昇進し、元いた帝重工評価試験基地でAMのテストパイロットを務めている。

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