大好きな気持ち


『じゃぁ、出てきて?外で待ってるから』


え?窓から下を見るとこっちを見上げて龍斗君が手を振っていた。


今まで見たくて見たくて仕方なかった笑顔で他でもない私を見て手を振ってくれて、自然と顔は緩むのに頬を伝う雫が止まることはなかった。


急いで下に降りて玄関まで走った。


ドアを開けた瞬間、龍斗君が抱き締めてくれて、安心感でいっぱいになって涙が止めどなく溢れた。


「じゃぁ、ちょっと着いてきて?」


龍斗君はそれだけ言うと私の手を握って歩きだした。


私は訳がわかんないから頭にはてなマークをいっぱいならべて着いていった。


しばらく歩いていると…


『着いたぞ。』


「え?」


ふと顔をあげると町全体が見える小さな丘に来ていた。


ちょうど今夕暮れ時でここから見える夕日はとても綺麗で…


話があるって言ってここに来たけど、ここからの景色に心を奪われ過ぎて2人はしばらくこの景色に見とれていた。


夕日が、水平線に近づくにつれて海がキラキラとオレンジ色に輝いて目を奪われるとはこの事だなって感じた。


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